お正月のテレビ番組から -ドキュメント72時間―
お正月のテレビ番組から -ドキュメント72時間―
神戸市シルバーカレッジ学長 前田 潔
新年あけましておめでとうございます。皆さまはお正月をどう過ごされましたか。
年末年始、テレビを見て過ごす時間が長く、そのなかで感心した番組がありました。「ドキュメント72 hours」という番組です。金曜日の夜10時からにやっている番組で、カメラをある場所に3日間据え置いてそこを通りかかる人たちを取材するというものです。
年末年始には一年間に放送されたものの中から視聴者にアンケートをして好評だったものを再放送していました。私が感心したのは「マンモス団地を歩いてみれば」というタイトルの、建物数200、所帯数7000という昭和43年に作られた千葉市の花見川団地が舞台のものでした。始まりには小学校6年生くらいの男の4・5人が自転車に乗って団地内を走り回っています。なかに黒人の血が入っていると思われる少年も混じっています。他の日本人の子の中に溶け込んで遊んでいてのけ者にされているようには見えません。寛容さ、受容性の高さ感じられてその光景に感心しました。
次に高齢化率が4割を超えているという団地の高齢者をインタビューしています。みな年金生活者のようで単身者も少なくないようですが、お互い助け合って生活しています。そのなかで60代後半の元システムエンジニアでボランテイアをしている男性が紹介されていました。団地内にある商店街まで自力で買い物に行けない高齢者や障碍者を、改造したリヤカーのようなものを付けた自転車に乗せて商店街まで送迎するボランティアをしています。午後の空いている時間には、やはり高齢者が商店街で買った重いものや持って帰れない商品をボランティアとして自宅に配達しています。そのひとが言っているのには、システムエンジニアはコンピューター相手で面白かったけど、人間相手に仕事をするのも面白いということが分かりましたと。人の役に立てたときの心地よさが何とも言えませんと。
高齢になると様々にできないことが増えてきます。お互い助け合わなければ生きていけなくなります。この番組の中で、足の悪い人に代わってそこの飼い犬の散歩のボランティアをしている人も出てきました。
シルバーカレッジの学生は元気な方が多いです。幸いボランティアをする余裕と体力が残っていそうな方が多そうです。地域の困っている高齢者のために自分のできることを何かをしてあげるというのも悪くないかなと思いました。正月早々、高齢者が助け合って暮らしている様子を見ていい気分になりました。