19期国際同窓会グッデイズとソーシャル・キャピタル

19期国際同窓会グッデイズとソーシャル・キャピタル

神戸市シルバーカレッジ学長 前田 潔

 

 

 KSCは今年、開校31年目を迎えています。3月11日に第28期生205名の卒業生を送り出しました。KSCのOB/OGは平成8年の第1期生から今年まで1万名を超えています。

 先日、6月19日にグッデイズという第19期国際関係・協力コースの卒業生による同窓会が中央区文化センターで開かれ、招かれて出席してきました。グッデイズというのは2015年3月にKSCを卒業した方たち30名が会員で、月に一度例会を持ち、講師を招いて講演を聴講するということをされていて、今回が第100回になるそうです。

 当日は国際18期や20期の方も参加されていました。平均年齢は76~77歳、男女比はやや男性が多いという印象でした。私は今年77歳で、たまたまその場で、私の大学でのクラブ(剣道部)の1年後輩がおられて共通の友人の話で盛り上がりましたが、ほぼ私と同年齢の方々でした。男性も女性もみなさんお元気で、にぎやかに大きな声で話をされていました。この年齢の人たちの特性である、女性も男性に遠慮することなく堂々と振舞っておられました。どちらかというと男性が少し遠慮気味にも見えました。

 9年前の卒業からほぼ月に一回の例会が、新型コロナウイルスの感染拡大の時も途絶えることなく開催され、今回、晴れて100回記念例会を持たれたということです。皆さん本当に気が合うというか、仲良しで、楽しそうにされていました。そうだからこそ10年近く続いたものと思われます。この100回記念例会には神戸新聞からも記者が取材に来ていて、7月3日の朝刊に紹介記事が掲載されました。

 ソーシャル・キャピタルという言葉があります。30年以上前に言いだされた言葉ですが、社会関係資本と訳されています。これは物的資本や人的資本と並んで三大資本とされていて、人間関係の豊かなことは人々の健康や生活に重要なことであるという考え方です。人と人とのネットワーク、つながりがうまく働いている社会は皆が幸せに暮らせるとされています。シニア世代は会社を退職し、親兄弟、先輩は次々と召されていき、周りからどんどんと人がいなくなっていきます。残された人間関係は大切ですし、新しいネットワークを作ることも必要です。古い友人と集まって昔話をすることはこの上ない快楽です。昔の恩師や旧友の話、修学旅行の体験や体育祭の思い出などどんな体験でも昔話は心地よいものです。

 高齢になると新たに人間関係のネットワークを作る機会は多くはありません。新たな人間関係は退職した人間にとっては職場以外に作るしかありません。その点でいえばシルバーカレッジはうってつけの場であると言えるのではないでしょうか。シルバーカレッジではクラス(コース)の運営、学習グループを作ること、クラブ活動、地域奉仕活動など皆で話し合って物事を決めていく機会がたくさんあります。話し合いの場は友人を作る絶好の機会です。

 グッデイズも入学した時から皆が親しかったわけではないそうです。グッデイズ代表の田尻さんも、3年間のシルバーカレッジでの経験から、卒業後も集まりを続けたいと思われたとのことです。そうして今のような仲間づくりができたのでしょう。シルバーカレッジはソーシャル・キャピタルの豊かな社会と言えますね。そこからグッデイズのような組織ができ、存続するのでしょうね。グッデイズが200回、300回と例会を続けられるよう願っています。