シルバーカレッジ生

シルバーカレッジ生

KSCには800名以上の学生が在籍しています。平均年齢は70歳で男女はほぼ半数ずつです。北区、須磨区を中心に神戸市の西半分からの学生が多くを占めています。以上がカレッジ生の大まかなイメージです。

 私はカレッジ生と個人的に接触することはほとんどなく、ひとりひとりについて知っていることはごく限られています。ただどういう人が、どういう目的でカレッジに来られているのかについては個人的には興味があります。私とほぼ同世代のカレッジ生がどういう生活をしていて、どういうことを考えているのか興味があります。私たちの世代の人たちのおかれている状況、すなわち、子どもが独立して家を出て、退職して年金生活になって、配偶者との二人暮らし、というのがプロトタイプな生活かと思いますが、そんな状況のもと、どんな思いを抱いて暮らしているのかに個人的な関心があります。

最近、あるカレッジ生と話をする機会があり、そのカレッジ生に好感を持ちましたので紹介させていただきます。その方は「わ」の役員さんです。垂水区の自宅から車で9時過ぎには「わ」の事務所に出勤されています。「わ」の役員には手当はないそうで、900円の交通費が出るそうです。お昼は学生食堂の定食を食べるので600円の支出です。生活は基本、年金収入で賄っています。奥さまとの二人暮らしのようです。

「わ」の仕事が現在のメインの関心事のようです。現在の「わ」の活動を支え、社会に還元するような活動を広げていくというのがその方の生きがいのように私は理解しました。生きがいを持ち、社会に還元できる活動をすることで充実した生活をされているように見受けました。

もうひとりの方は、クラブ活動の幹事をされている方です。クラブで旅行の計画を立て、カレッジ生から参加者を募り、無事に旅行が終了させることがその人の仕事のようです。

当然収入にはなりません。カレッジ生の世話をしていても行き違いもあるでしょうし、幹事が責められることも起きうるでしょう。割の合わない仕事ですが、愚痴を言うこともなく、旅行の計画を立てておられます。お話していても淡々として嫌味のない、癖を感じさせない方です。私が学長とわかっても態度は変わらず、カレッジ生の一人のように接しられます。

 このお二方を見ているとKSCに誇りを感じる気持ちになります。こういう方が学生の中にいることで、そのKSCにかかわっていることに誇りが持てるように思われます。

 私は毎日、ふれあいホールでたくさんのカレッジ生とすれ違いますが、私の人見知りをする性格からか、なかなかカレッジ生の方に声掛けができず、気軽に挨拶を交わす関係にはなれません。もっとカレッジ生と心安くなりたいといつも思っているのですが。